第35回定期全国総会|スポーツ活動をとりもどし前進に向けてふみだそう

2022年3月13日、第35回定期全国総会がオンライン会議で開催され、22都道府県と11種目組織から49人の代議員、賛助団体から1人、役員29人、傍聴者3人など合わせて82人が参加しました。

前回同様、Zoomを利用しての会議となり、事前に議案の報告・提案が動画配信され、11~17時の短い時間で議事運営することとなりました。

開会のあいさつで石川正三会長は、「今総会にメッセージをいただいている森川教授からは『スポーツ実施率が上昇しているように見せかけているが、心からスポーツを楽しむための金、暇、場所の確保が最も大事だ』との指摘があり、まったく同感。今回の方針が都道府県種目の新たな前進となるよう全力で頑張りたい」と語りました。

続いて、賛助団体の日本勤労者山岳連盟から小池藍事務局長が「平和と登山を掲げているが、ロシアの武力侵攻を許さないという声明に共感する。世界のスポーツを愛する人と連帯したい」と挨拶。

その後、長井健治理事長が、この間の総括と方針について「コロナ禍による制限の中で工夫してきた2年間。まだまだ地域差があり、今後を見通せない側面もあるが、前進に向けて踏み出そうというテーマ。市民の要求をいかにくみ取っていくかが活動の根幹になが、SDGs、環境保全、ジェンダー平等、パラスポーツなど、課題に向き合う35期にしていきたい」と説明しました。また、数年前から議論されてきた複数代表制について「世代継承、地域性の発揮、ジェンダー平等の観点から理事長を複数名とするよう規約を改正したい」との提案がありました。

午後からは、14のグループにわかれてグループディスカッションを実施。全体討論では16名が発言し、「国のスポーツ事業補助金でスポーツ団体の実態が見えてきたのでは」「会員数が激減していることにもっと危機感をもつべき」「少しずつでも世代交代を図りたい」「『新日本スポーツ連盟』の略称については丁寧な議論が必要」などの意見が語られました。

今回の議案は採択の結果、賛成多数で可決され、複数代表制となった新役員には長井健治理事長(再)、置田康典理事長(新)、福島宏子理事長(新)、佐藤信樹事務局長(再)ら33名が選出されました。

全体討論での発言ダイジェスト

◆植山良和さん(全国サッカー協議会)
「種目活動について」
中四国ブロック主管の全国スポーツ祭典(2022年)は、徳島県連盟の紹介で「徳島 鳴門・大塚スポーツパーク」で「全国シニア60サッカー大会」を開催する運びとなった。サッカー協のない地での運営となるが、空白対策助成制度を利用して審判を派遣したい。

◆金子泰夫さん(千葉県連盟)
「運営委員会を重視した活動を丁寧に行いましょう」
スポーツ連盟は、自主的で民主的な組織。オンラインを使ってでも顔を合わせた会議が必要である。大会参加者を増やすためにも多くの人の知恵を集めること、運営委員を増やそうと絶えず意識的に選手に声を掛ける事が大切。

◆星操さん(滋賀県連盟)
びわこテクテククラブの現在の会員は34名。コロナ禍でウォーキング例会も計画の半分近くが中止となり、会員の減小傾向が続いているが、どうしたら例会が安全に実施できるか工夫しながら進めているところ。滋賀県連盟では毎月理事会で「スポーツのひろば」の記事をもとに、ミニ学習会を開いている。

◆北出祥夫さん(大阪府連盟)
「新日本スポーツ連盟の略称について」
略称は、正式名称の意味合いがある程度伝わるものでないといけない。看板を背負って活動している連盟員にも意見を求めるべきものだと思う。組織が外に向かって前進していくときに、新しい時代に向かってスポーツ文化を仲間ともに発展させるという意味からも、略称は「新スポ連」がふさわしいと考える。

◆竹嶋晃二さん(高知県連盟)
今年の全国スポーツ祭典が初の中四国ブロック主管ということで、軟式野球大会はが高知県で開催されます。コロナ禍で先が見えない状況で、開催について悩んでいるところもあるが、スムーズに運営するためのアドバイスをもらいながら準備していきたい。

◆永田政広さん(愛知県連盟)
コロナ禍における「東海ブロックスノーフェスティバル」の経験
今年の「東海ブロックスノーフェスティバル」は開催の約10日前に中止を決断したが、規模を縮小して「第1回東海ブロック大回転競技会」を行った。家族、未就学児、クラブ員以外の方含めて、有志60名の参加があり、コロナ禍では成功か。参加者への意思確認、指導者の熱意が必要。

◆大塚晃司さん(愛知県連盟
「愛知県連盟発展の展望」
現役員の年齢を考えると5年先を目途に新体制を作る準備をしていきたい。例えば、水泳担当は82歳で、年内で交代できるよう代わりの人を探している。新しい人をどうやって育てるか。「漫画で読むスポーツ連盟の歴史」を学習に引用しながら、スポーツが我々の生活にどういったことを与えているのを考えるいい機会。

◆吉成克実さん(神奈川県連盟)
「地方における自治体とスポーツ(連盟)」
2020年「スポーツ活動支援給付金」で、スポーツ団体の実態が見えてきた。多くのスポーツ団体は任意団体で補助金がなく、日常的に困っていると思われる。神奈川県連盟では、1968年からスポーツ祭典への補助金として県から10万円出ていたが、約25年前になくなった。神戸市は「本来は市がやるべき『地域のスポーツ推進』をスポーツ連盟がやってくれているので」兵庫県連盟に補助金を出しているという。これこそ正しい行政の言葉だと思う。

◆相馬常吉さん(三重県連盟)
2021年1月から月1回の「加盟員限定団体戦」を実施し、加盟減少対策に努めている。現在の課題は、理事が2名体制のままであること。来期には増員が必須。他団体主催の大会に参加したらペナルティを課す、という問題は三重県内でも見られている。

◆保坂亮平さん(兵庫県連盟)
「所属クラブの今後についてと個人的にやっていきたいこと」
兵庫水泳協議会は60代、70代が多いが、体制を徐々に世代交代。子どもの指導が難しい。習いに来ているのか遊びに来ているのか。新規参加者をポスター募集したい。有名なスポーツ選手を呼んで講演会を企画したり、ヨガ教室、水泳以外のミニイベントやりたい。ストレッチ好評。

◆市川和広さん(高知県連盟)
第34回全国スポーツ祭典(中四国ブロック主幹)で、高知は野球・テニス・ウオーキングを開催。今までの大会以上に苦労。オフラインで話し合いも必要。全国スポーツ祭典となると人員が不足するので、全国連盟から応援をお願いしたい。

◆岩本 英さん(全国卓球協議会)
会員数が激減したこと、具体的な数字をあげて、今これだけなんだということを皆さんに周知しなくていいのだろうか。緊迫感が感じられない。今さら、と叱られそうだが、ボッチャには興味がわかない。もっとかっこいいスポーツ、新しいスポーツの可能性はどうなんだろうか。

◆浜野猛明さん(石川県連盟)
金沢市と一緒にスキー場の開発をするような提案型の交渉をしている。医王山スキー場は、小さいが自治体の持つ唯一のスキー場。新しいルート作成、リフトの改善、動く歩道橋、休憩室などについて要求している。将来に向けて整備を検討中。OA化がどんどん進んでいるが、年寄りでもできるような紙ベースを残してほしい。

◆橋本圭司さん(理事・愛知県連盟)
全国連盟が何をしているのか加盟員がわかっていない(個人種目からの質問が多い)。もう少し宣伝しては…。兵庫県連盟では、平日の昼間活動できる60歳以上の人ががんばっている。県連盟の方で役員理事をやってくれる人がいない、どうしたらいいのか。

◆松浦孝之さん(北海道連盟)
「豊平川月例ランの取組について」
この1年間でゆっくり~ずRC会員は大きく増えた。きっかけは、「豊平川月例ランニング記録会」を思い切って開催したこと。だれもが気軽に定期的に走る。仲間と交流。記録を残す。この月例ランを定着させたい。親子の参加が多く、市民にとっても大事なのでは。

◆渕上一宏(福岡県連盟)
「月例マラソン取り組みについて」
福岡の月例マラソンは5年目で参加者が増えている。参加者100数十名、毎回20人ほどの新規登録、800名に近づいてきている。参加者増については、他の大会開催されていないからか。運営には15~16名必要。スタッフの高齢化がすすんでおり、若手をどう確保するかが課題。

◆山本和道さん(和歌山県連盟)
「スポーツは平和とともに」を合言葉に反核平和マラソンを続けているが、コロナ禍のためできないこともあり、オンラインで開催。もっと広めたい。オンライン会議が増えているが、ランニング関西ブロックでは、顔を突き合わせて喧々諤々と議論をしている。

第35回定期全国総会へのメッセージ 一覧


日本勤労者山岳連盟、学校体育研究同志会、原水爆禁止日本協議会、子どもの権利・教育・文化 全国センター、全国商工団体連合会、全国生活と健康を守る会連合会、全国労働組合総連合、全日本教職員組合、全日本民主医療機関連合会、東京地方労働組合評議会、日本国家公務員労働組合連合会、日本青年団協議会、日本のうたごえ全国協議会、日本民主青年同盟中央委員会、農民運動全国連合会の16団体、個人10名からメッセージをいただきました。ありがとうございます。

全国保険医団体連合会からいただいた祝電
第34期(2022年)顕彰クラブ一覧

プラチナ(50年以上加盟)
●wスカイ スキークラブ(石川県勤労者スキー協議会)
県スキー協が開催する「研修会」、「スキー映画会」、「スキーツアー」、「スキー合宿」などの行事の中心的役割を担ってきました。

●水泳クラブおやしお (東京水泳協議会)
水泳を楽しみ、泳力の向上を目指すとともに、「カナヅチをなくす」を目的とし、1970年に結成しました。

ゴールド(30年以上加盟)
●札幌ナイスミドルフレンドスキークラブ(北海道勤労者スキー協議会)
100名をこえる時もあったが、現在は62名の会員です。冬はスキー例会・技術学習会・歩くスキーなど、北海道内に遠征しています。夏は軽登山、レク交流、パークゴルフなどで1年中活動・交流しています。モットー「楽しく、安全に、健康の保持に役立たせ、人生を謳歌する」。

●琴似ステップ (北海道勤労者スキー協議会)
家庭的な雰囲気を大切にしながら、スキー技術の向上のために理論学習と雪上の実践に真剣に取り組むことを方針としています。

●ジョイフル(岩手県勤労者スキー協議会)
スキークラブであるが年間通して行事を開催し、国内はもとより海外まで旅行を企画するなど活発に活動をしていいます。

●京都ハイクファミリー (京都府連盟)
ハイキングやウォーキングは個人でもできるスポーツですが、安全に長続きさせ、人間的な喜びを得るためにも仲間の協力が不可欠です。また、集団の中でこそ積極性が生まれ、仲間の励ましの中で、新しい挑戦も育ちます。ハイキングを通じて連帯の輪を広げ、健康な暮らしを維持、増進します。

●泉北ランニングクラブ (大阪ランニングセンター)
安全で科学的な、そして、フルマラソンの記録向上を目指したランニングクラブを立ち上げようと地域に呼びかけ発足。国際交流、反核平和、月例ランニング記録会を継続して取り組んでいます。

●スタイルワン(東京水泳協議会)
現在、90代1人、80代3人、70代1人の計5名の会員です。教室がなければ、家にひきこもりがちですが、週に1回でも話をする機会もあり、楽しんで泳いでいます。

●S.C.ジャンプ(東京水泳協議会)

●かるがもS.C(東京水泳協議会)

●亀戸火曜クラブ(東京水泳協議会)
現在の活動は、週3回の練習。みんな仲が良いのが、クラブの特徴です。モットーは、「健康維持」。