はじめまして コバジュンです。
世界で最も大きいスポーツの祭典・オリンピックが、中国ではじめて開催されます。
良いうわさも、悪いうわさも耳にしますが、中国はこの世紀のイベントを成功させようと、開会式の時間を縁起の良い数字「8」を4つも並べて、2008年8月8日午後8時(日本時間同9時)にするなど、熱い思いを込めているのです。
私も中国人以上に、このオリンピックを期待しているので、2007年8月6日の夜、私の住む大連から深夜バスで8時間半かけて北京にむかいました。
市内に入るとあちらこちらで「北京2008」の文字を目にします。地下鉄に乗り、つり革に手をおけば「一つの世界、一つの夢」のスローガン。街を歩けば巨大広告看板にオリンピックシンボルマーク。ただ歩いているだけでも、オリンピックをいたるところで意識できます。
それだけではありません。以前北京を訪問した時より、人が優しくなっているような気がします。信号で止まっていたらよく話し掛けられるし、道を聞いても親切に対応してくれます。それに驚いたのは、路上でタンを吐く人を見なかったし、列に並ばず、割り込みしてくる人も少なくなっているような気がしました。これは中国政府が、毎月11日を「整列の日」と決めてバスや電車の乗り降りをする人たちに整列するように呼びかけたり、タンを吐いた人への最高50元までの罰金制度を設けたりしているからです。その効果があってか、オリンピックに向けた市民マナーも向上している気がします。
初乗り10元で移動できるタクシーの運転手は禁煙。さらにはニンニクを食べることも禁止されています。中国の料理には、ニンニクが入っている料理がたくさんあるので、運転手さんはすこし大変でしょうね。

・オリンピックへの市民の期待はアツい

北京市内の地図をみたことがありますか?地図上で見るとコンパクトで、気軽にどこでも移動できるように思えますが、実はおよそ16808平方 もあるのですよ。この広さは日本の四国とほぼ同じです。そう考えると地図上で、すぐ近くに見えても、実際歩いてみるとなかなか到着しないというのも納得できますね。私は歩ける距離だと自己判断して、足がクタクタになる失敗を何度もしました。皆さん気をつけてくださいね。
北京の交通手段は、地下鉄がおすすめです。今北京では、急ピッチで地下鉄工事が進められています。今まで空港から市内までタクシーで運がよければ約30分、渋滞にはまると2時間かかることもありましたが、地下鉄空港線ができれば、16分で行けるようになります。 ・つり革に書かれたスローガン
私はオリンピックの時、泊まる所はどうなるのかな…と、気になっていました。なので直接、何軒か五ツ星ホテルに足を運び、来年8月の宿泊空き状況を聞いてみました。予想はしていたものの見事に「没有(ありません)」の返答でした。どうしてかと聞くと、もうオリンピック関係者や旅行会社によって押さえられているから「満室」なのだそうです。この期間、宿泊金額がなんと10倍から20倍にも跳ね上がります。正確な金額は、オリンピック委員会が制御するので、現時点では未定。ある知人から、仕事関係で押さえている五ツ星ホテルの豪華な一室が一泊1千万円もすると聞きました。信じられないホテル業界の景気に、クラクラしました。ただ、贅沢をいわなければ、6人で宿泊できるドミトリーや比較的安価格で宿泊できるところもあるので、ご安心くださいね。

ご安心といえば、一昔前までとても不便だった公衆トイレ。中国では当たり前のようにドアのない開放的なものがほとんどだったのですが、今ではあらゆる所に「TOILET」の看板で統一された、個室タイプの綺麗な公衆トイレが設置されています。これが、オリンピックまでには北京の繁華街で500 以内、それ以外の場所でも1000 以内に設置される予定なので、こちらもひと安心ですね。
・綺麗になった公衆トイレ

午後からは、オリンピックメインスタジアムとなる国家体育場を見てきました。収容人数9万1千人規模という巨大スタジアムは、鳥の巣をイメージした編み目状の銀色の骨格が目を引く巨大造形物。日本ではプラダ青山店なども手掛けた有名な建築家による、独創的なデザインです。 ・ 工事中のメインスタジアム
たくさんの観光客が記念写真を撮っているところで、工事関係者が30度を超える暑さの中で働いているのをみると、なんとも不思議が気持ちになりました。選手や役員、市政府、ボランティア以外にも、本当にたくさんの人たちがこのオリンピックに関わっているのですね。
本来なら立ち入り禁止の工事現場ですが、おじさんと仲良くなったので、特別に中に入れてもらいました。近くで見ると、まだまだ完成に時間がかかるのがわかります。工事関係者が住んでいるらしいテントの周りはゴミだらけです。遠くから見た時と、近くで見たときのギャップを感じました。メインスタジアムの周りを歩いてみましたが、本当に空気が悪く、ハンカチなしでは歩けません。
飛躍的なスピードで発展していく中国ですが、大気汚染や水質汚染など環境問題は、北京オリンピックの大きな課題です。北京市は、この10年間で、1200億元もの対策費を使って、「緑の五輪」を目指してきました。鉄鋼会社や石炭ガスの工場を北京市外に移転させたり、自動車の排気ガス軽減を強制した結果、二酸化炭素を基準値より下げることができました。しかし実際には、私がハンカチで押さえていても少し苦しいと感じました。ニュースによるとある国の選手団が、大気汚染対策としてギリギリまで北京入りを遅らせる方針を示したとのことですが、選手のコンディションのことを考えると、なるほど理解できるような気がしました。
夜には、天安門広場で開幕前祝賀大会、約1万人が参加してカウントダウンイベントが行われます。このイベントは関係者によるものですが、少しでも見ることができないものかと、直接行ってみることにしました。地下鉄で移動したのですが、天安門広場の最寄り駅である1号線【天安門西】と【天安門東】駅を、なぜか通り過ぎてしまいました。地下鉄も交通規制するんですね。
しょうがないので、次の駅「王府井」で降りると、人・人・人。大勢の中国市民も、盛大な式典をひと目見ようと天安門周辺にむかっていました。普段は車が通っている道も規制され、歩行者天国状態。なんだかお祭りムードでみんな楽しそうです。さすがに天安門付近までくると、厳しい交通規制で行き止まりになったので、レーザーやライトアップされたイベントは一切見ることも聴くこともできませんでした。
すぐそばにいるのに、ひと目も見られないのは残念でしたが、ちょうど1年後、このオリンピックという一大イベントを誰よりも心待ちにしている北京市民の熱気は、私の想像をはるかに超えていました。来年のこの日までには中国語をマスターして、北京オリンピックに関わっていく意欲がますます強くなりました。 