スター主義・ブランド化に終らず
―― ジャーナリズムとしてスポーツを――
〈煽りにあおって…〉
ダイエット効果も誇大な「ビリーズブート キャンプ」に、まったく無批判にぶらさがる マスコミ。 球団のマーケティング(販売戦略)のために来日した「ベッカム」のときもそうでした。 国際的ビッグネームとは限りません。野球やゴルフの「?王子」にしてもそう。 女性の場合は、ビーチバレー・バドミントンに見られるように、アイドル化。 試合・大会を「甲子園」(高校野球)・「花園」(高校ラグビー)・「都大路」(高校駅伝)・「箱根」(大学駅伝)などとブラン ド化して人気を煽ります。
〈メディアの役割〉
メディアが大会の主催・主管・後援・協賛などとかかわりを持つとき、スターを作り上げアイドルに仕立て、大会そのものをブラン ド化して、視聴率・販売紙数拡大に躍起となりますが、それが報道を劣化させていないでしょうか。 「人気」ばかり先行させるその内容は、その競技種目の特性・試合内容・選手の努力・ プレーの分析や評価、そしてその背景などに及ぶことが少ないばかりか、競技とは無縁のプライバシーを踏みつけるが如き私生活周辺 の取材・報道が多い。こんなことを続ける限り、スポーツファンに、その競技の真の面白さを伝えないばかりか、より広く高い次元でのスポーツ鑑賞の妨害にすらなっているのではないでしょうか。
〈スポーツのインテリジェンスを〉
ただただ人気にあやかるチヤホヤした報道は、若いアスリートを順調に育てない。 当人も常に多くの視線にさらされ、過剰な期待・高い要求に追いこまれストレスをためこむことにもなりかねません。 暖かく見守ると同時に、客観的資料に基づいて、時に賞賛し時に厳しく妥当な批判をしてこそのジャーナリズムです。 メディアは、スポーツの「知的理解」の一助となるような報道をしてほしい。アスリートをも奮起させ、ファンも心底ス ポーツを楽しみ、発展させる力になるでしょう。
(新日本スポーツ連盟会長 長尾正二)